驚くなかれ!豚の体脂肪率
実は野生の豚の体脂肪率はおよそ13%前後です。牧場で食用に太らせた豚でも14~18%といわれています。
ちなみに人間の女性で20~29%、男性は10~19%という体脂肪率ですから、豚のほうが引き締まっていますよね。
そして牛は30%だそうです。意外なデータに驚きですね。
それでは、そんな筋肉質な豚をご紹介していきましょう。
空を見上げれない
豚は、土中にある植物の根や球根を掘り返して食べる習性があります。
そのため、他の家畜と違って硬い鼻先と強力な背筋肉を持つようになりました。
その強力な背筋肉が首の付け根から背中にかけてびっしりと付いているため上を向けない身体構造になったのです。
特徴的な鼻
鼻の先端は切り落とされたような形をしていますが、穴を掘り返すためには十分なほど頑丈です。
この鼻で土中にある食べ物を掘り返すのですが、ミミズやきのこ、根っこ、蛇、果実などを探すために発達しました。おもちゃになる小枝や鳥の羽などを見つければ、長い時間それで遊び続けます。
嗅覚
豚はニオイと視覚的な要素を使い、仲間の顔を見分けることもできます。
コミュニケーションにも役立っており、フェロモンを唾液や尿に分泌させ、ニオイを放出することで、コミュニケーションをとることが出来ます。
相手が見えなくても尿や体臭で見分けることができます。そのすぐれた嗅覚は、自分の子供とはぐれないためにも役に立っています。
餌を探すためにも役立っており、地面の中の深い場所にある根を見つけることが出来るほど嗅覚も優れています。
自分の家の周囲にはやはりニオイでマーキングしますが、テリトリー意識が強くない豚のその目的はグループの結束を確立することです。
一日のスケジュール
生活の31%を探索や餌を探すことに使い、21%は穴を掘り、14%は散歩をし、横たわるのは6%です。
母豚は、安全に出産できる場所を探すために9Kmも歩きまわり、巣を作るために10時間かけます。
とても活発な豚は探索のために昼間の75%は動きまわっており、最大6~8時間採食や探索に使います。
豚の行動範囲
行動範囲は1~25平方キロメートルと広く、季節ごとの食べ物や水を求めながら移動します。
その際は周囲の環境変化や人間の干渉範囲を見極めて行動しているといいます。
豚は新しい餌場を探索しながら行動範囲を広げ、ときには一晩で15キロ移動することもあります。
そして平和で穏やかな性格を持つ豚は、そのテリトリーを他の豚や他のファミリーグループと共有することも知られています。
食べ物
多くの有蹄動物は草食動物として進化してきましたが、豚は雑食動物です。彼らはその土地や季節ごとに採取できる食べ物に適応できます。
例えば春は草などを食べ、なくなれば根っこや球根や木などを食べます。秋から冬はどんぐりや果実、ナッツなどを食べるために森に入っていきます。
きのこを食べたり、味覚は高度に発達しています。主には植物を食べますが、ときに、ミミズ、昆虫、両生類、爬虫類、げっ歯類、、腐肉を食べて、食べ物を補っています。
出産
牛や馬のように1~2頭の子供を生む他の偶蹄類とことなり、豚は一度の出産でおよそ4~7頭ほどの子供を産みますが、工場畜産では10頭ほどの子供を産むように品種改変されています。
母豚は5~8ヶ月で成人に達し繁殖活動をはじめます。妊娠したメスは出産の1~2日前に群れを離れ、安全に出産できる場所を探します。
人里から離れた乾燥したみどり豊かな場所を好み、地中に穴を掘って草や小枝で隠し快適な巣をつくります。子豚はデリケートで弱いですが、産まれてすぐに歩き始め、見ることも聞くこともできます。
12個のおっぱい
豚は多産のため乳房がたくさんあり、左右6対、合わせて12個あります。
乳頭も乳房の数と同じだけあり、出産後すぐに母親を認識しお乳を吸うための乳首を見つけます。その授乳場所の序列は初日に決まるようです。
子豚の子育て
母親は様々な声を利用して自分の子供を管理し、そしてあやします。
子豚は自分の母親の声を認識することができ、母親は子どもたちのために子守唄を歌います。
また出産後すぐに母豚は巣の周辺でエサの探索を開始します。そして子豚たちは数日以内に母豚の探索についていき始めます。
出産の7~14日後には巣を放棄し、子豚を連れて元のグループに戻ります。
子供のお世話は共同で行う
群れの中で同じ時期に出産した豚がいる場合、子育ての業務を共同で行うこともあります。
他人の子供の面倒を見る行動は珍しくなく、この行動は他の哺乳類や鳥類でも見られる行動です。
兄弟間の絆は強く、生後8週間の時点では群れにくっついて行動します。
母豚が授乳の時間を子供に知らせるときは、独特の音を出して自分の子供達を集めます。子どもたちは自分の母親を間違えたりはしません。
離乳は遅く、14~17週までお乳を飲み続け、再び母親が妊娠する頃、独り立ちします。
メスは7~18ヶ月で発情するまで子どもは群れで過ごし、母親が次の繁殖に入ることに巣立ち、若いオスたちはグループを作ります。
穏やかで仲間想いの性格
工場畜産の中で過密に飼育されていると、ストレスが溜まって神経質になり攻撃的や反発的になりますが、本来はそんな動物ではありません。
とても穏やかで、グルーミングをしたり仲間と密接な接触をしています。夜は巣で一緒に眠り、大人は草や枝などでその寝床を新鮮なものに保ちます。
互いに鼻を接触させることで挨拶をします。
採食や探索をしながら仲間の行動を見て学習をし、声で常に互いの行動を認識し合います。声は20種類以上の声を使い分けているといわれています。
泥浴びが大好き
水だとすぐに蒸発し冷却効果が長続きしないため、泥浴びを好みます。泥浴びをすることで身体の菌や寄生虫を落とします。体の3分の2は水分だが、それだけ水を飲める環境は彼らにとって重要です。
日光浴が大好き
日光浴で殺菌をしたり、身体や心の健康を保ちます。
意外にきれい好き
豚はとても衛生的な動物であり、排便や排尿をする場所には自分の寝床から遠い場所を選びます。
木などに体を擦り付け、グルーミングをします。豚は汗腺を持っていないため、体温を調節することはとても重要な行動であり、暑さにストレスを感じやすい動物です。
そのため、定期的に水浴びや泥浴びをして暑さを防ぎます。
特に泥は彼らの体を覆うため、日光から体を守る効果もありますし、寄生虫を落とす効果もあります。
頭脳
豚はチンパンジーと同等に賢いと言われることがあるほど、頭のいい動物です。チンパンジーと同等であれば、人と同じようなものということですね。
ペンシルベニア州立大学の研究者は豚がコンピューター画面でカーソルを動かすことで、単純なマッチングゲームをプレイすることができることを発見し、タスクを学習するために霊長類と同等の能力を発揮することを実証しました。ケンブリッジ大学のドナルドブルーム教授は豚は犬よりも洗練された認知能力を持っており、確実に人間の3歳児より賢いと述べています。
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